2018/10/13【蓮華銀山跡】ズリの確認と貯鉱の探索目的で訪問した。ズリの中央に見える黒い筋はカラミであった。古い時代のものだろうか。精練所の裏はものすごい根曲竹の密集地で探索は断念した。訪問は登山道の屈曲部から尾根沿いに進むのがよさそう。

ズリのうえから見た比丘尼飯場上部。上の矢印右上あたりまで行った。黒矢印はズリではなさそう。下の線→に小さな露頭がありしょぼい二次鉱物(緑鉛鉱?)を採集した。山師の家に顕微鏡写真をUPした。目的はルビーシルバーの巨大結晶であったが、まあこんなものか。後日、山田隆さんの調べにより二次鉱物はミメット鉱と判明した。そして一緒に産出した白色柱状結晶は硫酸鉛鉱、褐色の部分はビューダン石と判明した。

2016/10/25  【白馬大雪渓】

    飛騨外縁帯の石は難しい。馬尻で40分ほどの観察だったが、水晶、閃亜鉛鉱、黄鉄鉱、磁硫鉄鉱、滑石、方解石などを確認。灰重石?透角閃石?みたいなものもあった。ここの特徴は大理石の角礫を含む石があること。蛇紋岩も多いが顔つきもいろいろで紛らわしい。雪渓の沢に多い白い石は珪長岩か珪質凝灰岩か?優白質閃緑岩やアプライト脈の一部もあるという。単純ではなさそう。3合雪渓にあるといわれている坑口の探索を含めて何人かのチームで探索をかければかなりの成果か期待できそう。ただ、国立公園なので登山道から離れたところでの活動が良いと思う。白馬沢方面はさらに期待できそう。猿倉のネフライトは産出した粘土の崖がわからなくなってしまった。採集は難しい。

2017/9/4~9/5  【蓮華鉱山】

滝脇の露頭。脈の中央の黒い部分が鉱脈。金属の硫化物が集まっている。方鉛鉱、閃亜鉛鉱、黄銅鉱、黄鉄鉱、磁硫鉄鉱の集合体。ひょっとするとその左側に有力な鉱脈があってそれを採掘した残りかもしれない。鉱石の品位や脈の太さの関係で採掘されなかった可能性がある。

この脈の下方延長上に下の写真にあるような露頭がみられる。金山誌には「鉱床は蓮華変成岩、蛇紋岩および花こう斑岩中に胚胎する裂か充填鉛・亜鉛鉱床で少量の銅を伴い、金・銀を含有する。鉱石鉱物は方鉛鉱、閃亜鉛鉱、および黄銅鉱、主な脈石鉱物は緑泥石である。」とある。私の持っている緑泥石のイメージとはかなり違う。青や緑の色(二次鉱物)が見えるのではと思っていたがこの産地ではそういうことはないようだ。

ワードで作った画像を貼り付けるのに苦労した。下の注は「 踏査跡は右側の沢筋。左側の部分は登山道を下降している。登山道の位置は矢印の先端(水場)からはかなり外れている。 」となっている。下のズリの写真は右上部分の崖マーク。到達するにはその右(東)側の小沢(道が鋭く屈曲して、図の赤線が「人」字になっている)を上がるのがいいと思う。

 金山誌の鉱山マークには行ってみた方がいいかもしれないが、精練所跡からの道の痕跡を発見できなかったので金山誌の位置は誤りの可能性が高いと思う。

鉱山事務所跡の上にある裸地。どう見てもズリ。雪倉岳の東南斜面に張り付くように大鉱脈がありそれを露天掘りしたと考えればつじつまが合う。帰りがけに調べに行こうとしたが、断念してしまった。この裸地は稜線近くからも見え、非常に気になる地形だが接近したときには登り口に迷う。事務所跡近くのザレ沢(道が沢を越えるのに鋭くカーブしていて最近道を付け替えたようにみえる沢)を上がって左へ行くのがいいと思う。

鉱石の断面。方鉛鉱、閃亜鉛鉱、黄銅鉱の集合体。銀は鉛と仲が良く方鉛鉱の鉛と一部置換することがあるようだ。銀の硫化物である針銀鉱があるのではないかと観察したが、見つけられなかった。この相方の破片と合わせると3.5kg。欲張りすぎたかなと思ったのだが、もっと沢山担ぎ下してくるのだったかな。蓮華温泉ジオパークの見どころの一つとして保存・観光資源としての利用は考えられる。

2017/10/10【白馬銅山】

二合雪渓?上部の白い岩塔。主稜と三合尾根の間。この近くに真茶色の岩の突起があり、鉱石の塊のように見える。近づくのには危険を感じた。残雪を利用して確かめに行ってみたい。鉱山が稼業していたらそんな鉱石の塊が露頭として見られることはなかっただろう。大雪渓の左岸に見られるという坑口を探したが見つけられなかった。埋没してしまったのだろうか。もっと上かな?

銅鉱の推定埋蔵量は200~300万トンあるといわれている(「長野県の鉱山と鉱石」市川正夫)。

 

ネフライトの脈。と思って採集したが針で傷がつけられる!硬度3。暗緑色で透明感がある緻密な塊で貝殻状の断面をみせる。へき開はない。微小な雲母の集合体?母岩との境に白雲母のようなものが見られる。印材の石にも似ているので滑石?。塩酸・温塩酸には反応しない。磁性はないが粉末はネオジム磁石くっつく。

母岩は黒くて硬い。ホルンフェルスみたいな感じ。周辺には蛇紋岩も多いし滑石の露頭もあった。

 

知玄社