きちんとした組織をつくるつもりはない

現状は学術調査を隠れ蓑にした自然破壊、スポーツ感覚の宝さがし、、、様々だが安全対策やセルフレスキューは皆が共有しなければ社会的認識は得られないと思う。以下、気が付いた点を並べておく。

保険加入

 日本山岳協会の保険がまず目についた。地元、家族への思いやりの意味でも入って

 おきたい。山岳会では保険に加入していない者との登山は禁止されている。トラブル

 の原因になるからだ。掛け捨てで年4000~1万円くらい。様々な条件で額が変わる。

 石を売る人は職業としての登録になり保険料UP。それから酸欠での死亡は病気扱いな

 ので保険が支払われない(納得できないが)ようだ。しかし、死体がなくても保険料

 の支払いがあるとか、一般の障害保健よりも山師活動には向いていると思う。

      日本山岳救助機構JRO(ジロー)という組織もある。会員登山者の遭難費用の負担を皆

 で支えあおうという機構。入会金2000円年会費2000円でその年度の支出を事後分担金

 という形で支払う。保険ではない。講習会なども行っている。ヒトココ(ヤマモリ)の

 電子ID番号を登録する制度もあり、好感が持てる。

行動計画提出

 登山の場合、山岳会の本部に提出しておく。下山予定を過ぎても報告がなければレス   キュー隊の招集・出発となる。山師の場合は抜け駆けを目指すのでそういう届出はダ

 メだろう。地元警察のへの届け出もすることはなさそうだ。登山口での届出もしそう

 にない。可能性のあるのは行動予定のメモを車のフロントに挟み込んでおくことだ。

 家族からの依頼を受けた警察が車を探し出して「行動予定」を参考にすれば探索の効

 率化につながる。

  ネットで登山届を提出するシステムも出来上がりつつある。長野、岐阜などの県警に届け 出のフォームが用意され始めた。届け出を出さないで事故を起こした場合の罰金請求も発 生している。鉱物採集の場合でも利用できそうだ。

セルフレスキュー

 各々が安全には気をつけていると思うが、アクシデントのときに役立つアイディアを

 どこかでまとめたり、講習会をしたほうがいいかもしれない。

 転落・骨折の場合の応急措置、レスキュー要請の方法、事故者の搬出法、考え方の基

 本、熱中症対策、蜂・毒蛇対策、簡単なロープ使用法、等々。

携帯電話

 衛星電話や無線が山奥での事故では頼りになるが、わざわざもってゆく人はいないだろ

 う。なんとか携帯電話のつながるところまで移動して救助要請をするしかない。そのた

 めにも電池の寿命が大切になる。私は電源を切って山に入っている。予備の電池があれ

 ばなおいい。猟師の人が犬の首輪に発信器をつけて自分のGPSに位置を知らせることを

 していた。レスキュー隊がうまく活用できればいいなと思ったが、今の日本では電波法

 違反とのこと。それから、海外では雪崩に埋まった人を探すために「レコ」という反射

 材をウエアーに入れることが義務づけられている。ヘリから雪崩跡に電波を発信すると

 遭難者の衣服内の反射材で位置がわかる。これも日本では導入されそうもない。非常用

 発信器の開発が望まれる。

 

 ・行動計画書

 

 

             
        行動計画書(届)  
1.目的地・採集形態            
               
               
2.行動予定   年  月  日 ~  月  日  予備日  日 
 月  日        
         
         
               
3.メンバー              
氏名 生年月日


現住所 緊急連絡先(間柄)    
年齢 電話・携帯(行動に持参の場合) 電話又は住所    
               
         
               
         
               
         
               
         
4.概念図(目的地と駐車場など)      
               
               
               
               
               
               
               
               
               
5.装備 装備・非常食など (持参に○をつける)  
ツエルト 予備食(  食) ラジオ コンロ 燃料 救急薬品 トランシーバー 補助ロープ
6.所属団体              
団体名              
代表者名                住所    
代表者電話         救助体制 有 ・ 無  
               

ペットボトル蓋

ペットボトルのふたに穴をあけたもの。これを持参した飲料のボトルにつけて使用する。ケガをした部位の洗浄に使う。泥は細菌の巣なのでできる限り落とさなくてはならない。貴重な水を節約できる。治療者の手の洗浄にも使える。

おんぶ

事故者の運搬法はいろいろあるが、事故者が軽量で運搬距離が短い時には「おんぶ」も有効だ。そのときに、事故者の手首を握ったほうがずれが少なくて良い。腕を交差して手首を掴む方法もある。

ヒトココ(ヤマモリ】

ヒトココという人探し機が販売されている。子機は20g、電池寿命3ヶ月。親機は70g。地上では障害物で電波が届かないことがあるみたい。威力を発揮しそうなのは上空からの探索で、上空500m、5kmの範囲で受信できるという。ヘリコプターや小型無人ヘリから探索可能。もう一つの特徴は機械に固有の端末IDがついていること。このIDを親機に登録すれば複数の捜索者が一人の遭難者を探すことができる。家族からの連絡を受けた警察が車を発見→車内から行動計画書とヒトココ親機を回収という手順が確立すれば、単独行動のキノコ採りや、鉱物採集のときの事故対策になりそうだ。値段がまだ3万円とやや高価なのが難点だが、大量普及での値下げ効果に期待したい。

ココヘリ ヒトココ機を利用したヘリレスキュー契約。2018年から始まった。年4000円でヘリのレスキュ―が受けられるという。家族への連絡や行動計画書と合わせて利用するとよさそうだ。2018年の実績は4/4とのこと。利用者が増加することが予想される。

レスキュースモーク 簡易発煙器も発売されている。商品名は「しらせーる」。ヘリに自分の位置を知らせるのに有効。重さ115g、サイズφ70×24mm。約90秒の発煙時間。蓋の裏には反射鏡が付いていて太陽の光を反射し知らせることも可能。

GPSメッセンジャー GPSに救助要請機能がつけられたもののようだ。衛星電話と同じ通信能力なので威力を発揮しそうだ。家族に行動経路も知らせることもできる。

知玄社