2013/6/1 【剣沢~長次郎出合~長次郎のコル、剣岳往復後、スキー滑降】

  リーダーの柴田さんはじめ、参加の皆さんに感謝感謝の登頂・滑降でした。

 別山乗越では石英脈や変質した岩石が時々見られた。ちょっと変わったことが起きているようだ。剣沢の石垣にも一部にペグマタイト的な岩石があった。また、変 質した岩石(緑色部に黄鉄鉱の小結晶を含む)が観察できた。別山側から来たものか、それとも一服剣から来たものなのか?

2017/7/26~29  【小黒部鉱山】念願の訪問。しかし失敗。

 ・入山、下山の問題 元気なら池の平小屋まで1日の入山・下山は可能。しかし、天候、体  調の変化などがあり探索には4日を考えた方が良い。扇沢へ早朝に入ってもバスの始発  時間のためにその日のうちに池の平へは苦しい。二俣でツェルト泊か。たぶん最短コー  スは番場島から大窓を経由するもの(鉱石の搬出路)だが雪渓の状況や大窓までのルー  トファインディング、大窓雪渓の急斜面などの課題が多く一般的とはいえない。内蔵助  のルートも丸山沢のスーノーブリッジが確実になくなる8月中旬以降が無難。

・紫外線ランプ パウエル石の存在を確認するために短波のランプを持参すること。地衣類  が白く光るので困る。白い石英に青白く発光する部分があり灰重石と思う。小屋裏のテ  ントサイト(貯鉱場跡)でしか出会えていないが試掘跡やズリなどで産状を確認できれ  ば素晴らしい(パウエル石も同じ)。 灰重石を含む石英に金属光沢の微細な点を見た。  ビスマス?

 

この小屋の存在があることで探索が可能になっている。風呂もある!展望台(火薬庫跡)まではよい道だがそこから小窓雪渓までのルートはやや危険。昨年、県警の人たちにより何か所かにザイルが張られてはいるが、一枚岩が外傾していたり脆くいまにも崩壊しそうな岩壁の下を歩いたりで怖い。一番大きな坑は雪渓との出会いの上部に開いているようだ。19年前に訪問の際にも最も輝水鉛鉱が拾えたのは雪渓との接点だった。小窓1番坑坑口付近?

あと、この少し下の火薬庫跡(今の展望台)の下にも大きな坑があったようだが未調査。

小屋から見た白ハゲ。手前が大窓。左側が池の平山の北斜面。ここにも大きな坑があるようだ(地質図の鉱山マーク、大窓十番坑?)が見るからに危なそう(もろい岩壁からの落石が集中)少し小黒部谷を下ってから狭いルンぜをつめあがるようだ。

天気が良いときには富山湾の漁火が見える。

本に載せた小窓の近くなどのほかにも試掘跡はかなり多く小屋の管理人さんに聞くと位置を教えてもらえる。紫外線ランプやルーペで新発見をしたい。パウエル石以外にもタングステン鉱石の良品が拾える可能性は高い。

  

18年前に飛鳥山博物館展示されていた地図をガラス越しに書き写したものがもと。それを地理院地図に落として少し見やすくしたのがこの図。転記をするなかで位置なども原図とはかけ離れてしまった可能性もある。原図は地調月報第4巻 第2号 富山県小黒部鉱山水鉛鉱床開発調査報告 (佐藤源郎 他)と思われる。図には小屋から池の脇を通って小窓2番坑へ行く道も記されているが現在ではたどるのは難しいかも。小屋から小窓雪渓へ向かう道ははっきりしているが位置が自信がないので地図には記さなかった。赤い✖印は試掘跡。このほかにもまだあると考えられる。

これが地調月報第4巻 第2号 富山県小黒部鉱山水鉛鉱床開発調査報告 (佐藤源郎 他)に載っている原図。字が小さいのと地形の表現が未熟だが坑の位置などは上の図よりも正確。詳細な坑内図や鉱脈の詳しい解説も記載されていて訪問するなら必ず目を通していった方が良い。

大正年間に稼業した大窓一番坑のことにはあまり触れられていない。

 「黒雲母花こう岩中の多数の平行な節理面(緩傾斜)に沿って貫入した多数の含水鉛鉱石英脈であり、母岩との境界は明瞭である。」との記述が基本情報かな。

知玄社